セカンドライフのSIM数の変遷と現状

当社では、2007年の初頭よりSLGuide.jpというセカンドライフ内の、おすすめスポットを口コミ情報を元に紹介するサイトを現在も運営しています。

すでに、お忘れの方も多いとは思いますが、セカンドライフといえば、2007~2008年に日本で話題となったメタバース(=仮想世界)ですね。

今回は、そんなセカンドライフの話を少々。

シム数の変遷

セカンドライフと言えば、冒頭にも書いたとおり、2007~2008年に日本で話題となったメタバースです。
しかし、残念なことに、その後、急速に廃れています。

実際、その通りなのですが、その感覚とはちょっと異なるグラフをお見せします。

次のグラフをご覧ください。

セカンドライフのシム数の変遷

これ、何かと言いますと、セカンドライフ内のシム数の変遷です。
セカンドライフを知らない方に説明しますと、シムというのは、セカンドライフ内の土地の事です。

SLGuideでは2008年1月から1~3ヶ月に一度、セカンドライフ内のシム名の一覧を収集・保存しています。
上のグラフはその結果をまとめたものとなります。

そもそも、未だにセカンドライフの世界は存続しているということ自体に驚く人は多いとは思いますが、それよりも何よりも、セカンドライフのシム数は2008年当時とあまり変わってないというのが現状というと、驚かれるかと思います。

ただし、シム数を、人気や人口を結びつけるのは早計です。
そのあたりは後で書きますが、まずはグラフをざっと見てみましょう。

2008年~2013年の間のシム数の変遷

2008年1月~2008年5月

セカンドライフブームまっただ中です。とはいえ、この頃には微妙に日本国内では陰りを見せていましたが、シム数としては順調に右肩上がりしている様子が見て取れます。

2008年5月~2009年1月

グラフを見てみると、2008年の年末にシム数が増大し2008年11月には31580シムを記録し、その後、急激にシム数が減っています。これこそ、セカンドライフバブルがはじけたと思われるかもしれませんが、これには理由があります。

2008年3月にリンデンラボは、OpenSpaces(別名:環境シム)と呼ばれるシムの制限緩和を行っています。
環境シムは、景観調整用に低価格で提供される一方で、設置できるオブジェクト数やスクリプトの実行速度などが制限されたシムのことです。
※シムの実態はサーバー機器ですが、通常のシムは占有サーバーで、環境シムは共有サーバーとイメージすればおおよそ正しいです。

この規制緩和によって、ちょっとしたことをするには使いやすかったことと、低価格も相まって、シムの購入者が増えたとものと思われます。

しかし、環境シムはこの年の8月ぐらいから問題視されるようになりました。
たとえば、景観調整用外で使われたり、高負荷のスクリプトを使われたりする行為です。
環境シムは、共有サーバーみたいなものですから、1つのシムで重い処理をすると、他のシムにも影響が出ます。

そのような問題が出た後の2008年10月に、純粋な環境調整用以外で使う場合には値上げすると発表されました。

値上げは2009年1月からなので、それまでの間に、一気に解約が進んだという状況というのが、このグラフの動きに現れているとみるのが自然です。

ここで、この2008年5月~2009年1月を除いた形でグラフを見るとどうなるか、ちょっと線を引いてみましょう。
セカンドライフのシム数の変遷2

線を引けばわかりやすいですね。環境シム騒動を除けば、シム数は順当に増えていき、2010年6月にピークを迎えたという状況が見て取れます。

2009年1月~2010年6月~2011年11月~現在

2009年1月からしばらくは、徐々に増加率は落ちていますが、右肩上がりの傾向で、2010年6月にピークを迎えています。
その後、横ばいになった後、2011年11月を境に減少傾向となっています。

では、現在はどの程度なのかというと、2013年11月29日に検索に引っかかったシム数は26411です。

この数は、環境シム騒動で利用者が急増した2008年7月や、この騒動の終焉時である2009年1月と同じ水準であり、2010年6月のピークの82%といったところです。

シム数から見ると意外と元気とも言えるのが現在のセカンドライフです。

実際の現在の人気はどうか?

先にも書いたとおり、シム数を、人気や人口を結びつけるのは早計です。

実際には、惰性で土地を借り続けているとか、メインランドは一度作られたら廃止されない等の理由で、シム数が減ってないと見ることも出来ますので、注意深くこの結果を見る必要はあります。
※シムには、リンデンラボの管理下にある土地を区切ってレンタルするメインランドと、一シム丸ごとレンタルできるプライベートアイランドとがある。後者は自由度が高い反面、レンタル契約が切れると土地自体が消滅する。

今回は、そこまで細かい調査は出来ておりませんが、正直な話、セカンドライフの日本人街では一時期のように人は溢れていません。

一方で、モノ作りを楽しめる方は今でも楽しんでいる印象です。

ブームの当初から一部では言われていましたが、セカンドライフは、モノを作って楽しむことこそ醍醐味です。

衣装や建物も作れますが、最大の特長は、物理シミュレーション、つまり、重力や、浮力、風の影響などがある、そんな環境下での3Dのモノ作りができます。
たとえば、ピタゴラスイッチみたいなモノを作る事が出来ます。

担当者の一人である私も、スクリプトで自分の頭の上から雪を降らせる雪だるまアバターを作ってみたりしています。
※雪は、パーティクルに重力と風が作用しています。

東京Kのアバター近影

そのような特長があるため、セカンドライフバブルがはじけても、残った人たちが居るのが今のセカンドライフです。

最後に

今回は、シム数の変遷の報告と、セカンドライフの簡単な現状を報告しました。

正直、2007年はブームに踊らされていた感があり、何をすれば良いかが誰もが分かっていないという状況でした。
そのブームも去った今、覗いたり、モノ作りに興じてみたりするのも一興です。

セカンドライフは、任意の3Dモデルを作れるため、PCの性能が必要なソフトではありましたが、ソフトの改良と、最近はPCの性能も向上して、そこまで高スペックは要求されなくなっています。
実際、SLGuideの担当者は2年前のノートPCで作業しています。

ログイン方法は、当時より日本語化がしっかりされていることを除けば、2007年当時と大差ありません。ソフトをダウンロードして、当時のアカウントがあればそれでログイン。なければ、そこからのリンクでアカウントを作れます。

公式サイト:http://secondlife.com/?lang=ja-JP
ソフトのダウンロードページ:http://secondlife.com/support/downloads/?lang=ja-JP

最近のスポットを探して巡ってみるのも一興ですし、サンドボックスを探してモノ作りを試すのも一興です。

これらのスポットに悩んだら、是非SLGuide.jpをご利用ください。